「終わりなき旅」シリーズのストーリーとは…

この数か月、フジムラコンテンポラリーアートのギャラリーの壁から、すっかり取り外せなくなっているウレ・リトゲンの「終わりなき旅」シリーズの5作。


12月中旬から、今に至るまでのこの僅かな四季の移り変わりの中にも、作品の変化を感じ取ることができます。降り注ぐ春の暖かな光は、ギャラリー入口付近をも明るく照らします。自然光の中、午前中から午後にかけては、まるで、映画のワンシーンのような美しさです。では、今回のレポートにてほんの少しだけストーリーのご案内をさせて頂こうと思います。


「終わりなき旅」シリーズの第一章・・・・いえ、第一幕作品は、”Evening Wing(夕方の羽)”です。

さぁ、舞台の幕は上がった。主人公である貴方は、今から旅に出ようとしている。そう!果てしない未来に向かって・・・・・。


この世のものとは思えないほどの美しい夕暮れ。実にきれいだ。ずっとずっと彼方にあるはずの太陽がすぐそばの水辺に沈んでいくようにも感じられる。今、私達は、寒く、長く、冷たい冬を乗り越え、久しぶりにも思える暖かな日差しを浴びると、まるで、生き返ったように走り出したくなる。そんな活発な心を持ったまま、貴方はこの白鳥に誘われるように歩き始める。白鳥は、このストーリーの中でも大変、重要な役割を担う。そう”輪廻転生”のシンボル。また、白鳥は”純愛”の象徴ともされ、これから貴方が歩もうとする・・険しいけれども明るい未来に向け、旅先案内人のような役割を担っているのである。




物語の始まりとされるこの作品”Evening Wing (夕方の羽)”は、深い意味を持つ。

・・・・と、同時に、貴方を誘う(いざなう)特別な力を持つ作品なのです。特に、この作品は視点がおもしろい。作品を目の当たりにして感じるのは、視点の高さ。明らかに、この白鳥に導かれる感覚に陥るのです。そうなんです!ご覧になっている皆様が、「鳥の視点」で、この風景を眺められるのです。


私達のギャラリーが、今回、数か月に及び、このウレ・リトゲン展の会期延長していく訳は、ただ一つ。目の前で、この世界に浸ることの素晴らしさを感じて頂きたいからです。一度は、このストーリーを心に留めたまま、ご覧になってみて下さい。

0コメント

  • 1000 / 1000